グリップヒーターには大きく分けて2種類あります。
一つはグリップごと交換する「一体型」。もう一つは既存のグリップに巻きつけて使用する「巻きつけ型」です。
僕はバイクに乗っている期間がそれなりに長いこともあり、今までに3回グリップヒーターを購入しました。
1回目:取り付け後、数日で転倒して壊れる。(一体型)
2回目:取り付け後1年使用(1シーズン)。(巻きつけ型)
3回目:巻きつけ型に不満があり、一体型を購入。(一体型)
先日、新しく購入した「デイトナ ホットグリップ 4Sn」(グリップ交換タイプ)を取り付けました。
そこで今回は「巻きつけタイプ」と「一体型タイプ」の比較とグリップヒーターの取り付け方を解説します。
この記事はこんな方におすすめ
- 実際に使った人のレビュー(感想)が知りたい
- グリップヒーターが欲しいけど、どれを買えばいいかわからない
- 「巻きつけタイプ」と「一体型」の特性を知りたい
- グリップヒーターを自分で取り付けたい
目次
グリップヒーターのタイプ別による比較
比較する項目は以下の通り。
1:金額・・・値段は大事ですよね
2:グリップの太さ・・・操作性に直結します。
3:取り付けの手間・・・個人で取り付けする場合簡単な方がいいですよね
4:暖かさ・・・一番大事ですね
1:金額の比較
金額は「デイトナ ホットグリップ」の各製品を比較したものです。
巻きつけタイプでも一体型でもあまり変わりません。
巻きつけ式:5720円
一体式:5485円
スイッチ一体型:9638円
上はAmazonでの価格です。
一体型には少し高価なモデルもあります。
こちらは通常の一体型に比べグリップ経が細いです。
4段階の温度調整ができるモデルですが、スイッチがグリップ内に埋め込まれています。
ですので「ハンドルまわりにグリップヒーターのスイッチを取り付ける必要がありません。
スッキリするので見た目はいいですが、高価なモデルとなります。2倍近い差があります。
最上位モデルは高価ですが、巻きつけ式と一体式は値段に大差ないです。
2:グリップの太さ
参考までに「ホンダの純正グリップ(通称ロッシグリップ)」ではグリップの直径は約31mm程度です。
※このグリップは根本から少しづつ太くなる形状です。一番太い「バーエンド側」で計測しました。
写真がないですが、「巻きつけタイプ」を取り付けると直径は約33mm程度です。
この寸法は、取り付け用の紐部分を除いた数値ですので、取り付け用の紐がある部分で計測するともっと太くなります。
対して、一体型のグリップヒーターは直径が「約34mm」なので太さは大差がありません。
運転操作に支障はありませんが、グリップが太くなるのははっきりと分かります。
数mmの差ですが、実際に運転してみると結構差を感じます。
イメージ的にはアメリカンバイクの太いグリップみたいになります。(笑)
※どうしてもグリップを太くしたくない人はこちらを買うことになります。↓
3:取り付けの手間
装着にかかる手間です。
「巻きつけタイプ」は上に巻きつけるだけなので、「一体型」に比べ取り付けが楽な感じがします。
ですが、実際の手間はそんなに変わりません。
巻きつけるタイプは紐で縛るのですが、しっかりと固定しないと運転中に少しづつズレてきます。
また「紐が解けないように固定する」のに気を使うので意外と手間がかかります。
それに対し、一体型はグリップごと交換するだけです。
グリップとスロットルの間に「パーツクリーナー」を入れてグリグリしながら引っ張ると簡単に取れます。
慣れてしまえばなんてことありません。数分で交換出来ます。
配線作業はどちらもほとんど同じです。
プラスの配線とマイナスの配線を車両に割り込ませます。
その間にスイッチの配線をいれればOKです。
詳細は説明書に書いてありますので、見ながら作業すれば大丈夫でしょう。
4:暖かさ
あくまでも僕個人の感想ですが、「一体型」の方が暖かく感じます。
巻きつけ式は、紐で縛っている部分が暖かくなりません(当然ですが)。
この点が結構くせ者で、指先を暖かくできるように設置すると、掌が紐の部分(暖かくない)になってしまったりします。
やっぱり全体が温まる一体型の方が温めるという意味では優れているように感じますね。
今回の比較は「デイトナの一体型(ホットグリップ 4Sn)」と「キジマの巻きつけタイプ(GH05)」です。
同じメーカーの「一体型」と「巻きつけタイプ」ではありません。
Amazonのレビューなどでは「キジマの製品に比べ、デイトナの製品のほうが温かい」というレビューがちらほら見られます。
この製品は結構前からあるグリップヒーターなので最新というわけではないのですが・・・
メーカーの開発設計の違いによるところなのかもしれません。
巻きつけ型グリップヒーターへの不満
去年「巻きつけ型」のグリップヒーターを使って感じた不満は以下の通りです。
1:すべる
2:暖かさがもの足りない
通常バイク用のグリップはゴムで出来ているので、すべりません。
軽い力でグリップを握れば安定してスロットル操作が出来ます。
しかし「巻きつけタイプのグリップヒーター」は、表面がつるつるしています。
そのため、力をいれてグリップを握らないと滑ってスロットル操作を誤りそうになります。
僕は以前使っていた「巻きつけタイプ」のものでも暖かさに不満はありませんでした。
どちらもちゃんと暖かくなります。
ツーリング中などでも暖かさは感じます。
ただ、両者を比較すると「デイトナの一体型」に軍配が上がります。
ネットの情報なので定かではありませんが、「デイトナのグリップヒーター」は暖かさが強めで「キジマのグリップヒーター」はそれに比べやや暖かさが劣るようです。
この暖かさに慣れてしまうと、「キジマの巻きつけタイプ」では少々物足りなさを感じてしまうのも納得できます。
最近はグリップヒーターも安価になってきていて、Amazonにて5000円程度で購入しました。
温度調整できるもの(今回使用したグリップヒーターは4段階で調整可能)が、この値段で買えるなんて驚きです。
昔はもっと高かったんですよ(しかも調整機能なんてついてないし)
5000円程度で「冬の手の寒さ」から開放されるなら安いものではないでしょうか?
グリップヒーターの「取り付け工賃」ってどのくらい?
もし、お店(用品店やバイク屋さん)に頼んだら工賃はいくらくらいかかるのでしょうか?
お店に取り付けをお願いすると、工賃は「6000〜7000円程度」が相場です。
ただ、Amazonなどに比べ、店頭だとグリップヒーター自体の金額が高くなります。
そのため、お店にお願いすると「グリップヒーター本体」と「工賃」の合計で「12000〜15000円」程度になると思われます。
※ネイキッドなどの作業がしやすいバイクの場合。フルカウルなどでは多少金額が高くなります。
グリップヒーターの取り付ける前に
「グリップヒーター」の取り付けに必要な道具
配線を触るので電工ペンチが必須です。
※普通のペンチで作業すると、トラブルの原因になるので「電工ペンチ」を用意しましょう。
Amazonで1500円程度で入手可能です。(上は僕が使っているのと同じものです。もう10年以上使っていますが必要十分です)
普通のペンチで作業すると簡単に外れてしまいます。↓(過去記事に飛びます)
「配線の処理に使う端子」も必要になります。
車、バイク関連で社外品の電装品を取り付けるにはギボシ端子を使うのが一般的です。
今回はこちらの端子を使います。
慣れないうちは「端子のカシメ作業に失敗しやすい」です。
一度カシメた端子は再利用出来ません。
つまり、カシメ作業に失敗するとその端子はゴミになってしまいます。
高価なものでは無いので多少多めに所持しておきましょう。
「オートバイの配線作業の基本」については、こちらで詳しく解説しています。↓
[脱失敗!]バイクの配線方法「基本の3パターン」を解説します。
配線は「キーON」で電気が流れる場所から取ろう
バッテリーに直接つないでも一応動きます。
ですがグリップヒーターの電源を切り忘れると、最悪バッテリーが上がります。
インジェクション車だと押しがけも難しいです。
リスクを減らすために「キーONで電気が流れる場所」から電気を取りましょう。
テスターの使い方はこちらで解説しています。↓(過去記事に飛びます)
ハンドルに取り付ける部品なので、スマートに取り付けるなら「ヘッドライト・メーターの照明」が鉄板です。(配線が短くて済みますよね)
※CB400SS・CL400の場合、緑がアース、茶色がメーター照明です。
今回の車両では「緑:アース」「茶色:メーター照明の+」なのでこの2本に割り込ませます。
グリップヒーターの取り付け編
1:グリップヒーターをハンドルに取り付け
グリップを取り外してハンドルに新しくグリップヒーターを取り付けます。
取り外したグリップを再使用しないなら、カッターなどで切ってしまうのが手っ取り早いです。
僕は暖かくなってから再利用したいので、パーツクリーナーを使って取り外します。
グリップとスロットル(左側はハンドル)の間に「パーツクリーナーを注入してグリグリしながら引っ張る」と簡単に取れます。
逆に新しくグリップヒーターを取り付ける場合は、パーツクリーナーをつけてから差し込めばOKです。
なれると簡単に交換出来ます。
参考
※ボンドなどをつけて固定する人もいますが、取り外しが面倒になるので僕は使いません。
僕は雨の日にはバイクに乗りませんが、グリップが緩んできたり外れたことは一度もありません。
グリップとスロットルやスイッチボックスの間にすき間があると、見た目がきれいではありません。
また雨水などが入る原因にもなります。
僕は↓のようなスポンジの部品(スペーサー)を使用しています。(↓は3mm)
5mmのタイプもあります。↓
※社外品のグリップに交換して、数mmのすき間がある時にも使います。
こういった細かい部分にこそ、こだわりましょう!
2:グリップヒーターの配線を接続
以前、シガーソケットを取り付ける時に使用した電源(メーターの照明線)から配線を分岐させます。
「誰でもできる」バイクにUSB充電器を取り付ける方法[簡単]
グリップヒーターは「季節によって取り外す」部品なので、キボシ端子で取り付けます。
Y字分岐を使いました。
補足〜 配線の取り付け方法はいくつかあります。
①ギボシ端子を使い、Y字配線を利用する方法。
今回はこの方法で取り付けます。端子を使うので、スペースを必要ですが「付け外し」が簡単にできます。
汎用性も高く、車:バイクの配線処理として定番の接続方法です。
詳しくはこちらで解説しています!↓(過去記事に飛びます)
②直接つなぐ方法。
スペースに余裕がない時はこの取り付け方をします。(小型のヘッドライトなどにカスタムされている場合など)
端子類を使わずに取り付けるので、スペースを取らずに取り付けができます。
ただし取り外すためには、一度配線を切断する必要があるので、「付け外し」をする部品には向いていません。
詳しくはこちらで解説しています!↓(過去記事に飛びます)
③Y字(平型)電源分岐ハーネスを使う方法。
ギボシ端子の「Y字配線」と似ていますが、端子の形が違います。
バイクの「ホーン」や「フロントブレーキスイッチ」などは「平型端子」で接続されています。
その間にこの「Y字電源分岐ハーネス」を挟むことで、電源を分けてもらいます。
「ホーンやブレーキスイッチ」は外から見える場所にあるので、バイクの整備や分解に慣れていなくとも作業がしやすいです。
その代わり、接続した配線がむき出しなので、外部から見えてしまいます。
僕は配線は見えないようにしたいので、ヘッドライトケースに隠したいので今回は使用しません。
下は配線図です。
↑(右)は今回取り付けた「デイトナ ホットグリップ4sn」の配線図です。
車体の+とーをグリップヒーターのスイッチに接続し、グリップヒーター本体をスイッチに接続する形です。
メーカーや製品によって多少違いがあるので、説明書の配線図を見ながら作業しましょう。
3:スイッチをハンドルに固定
最後にスイッチをハンドルに固定します。
今回取り付けた「デイトナ ホットグリップ4sn」はスイッチの切り替えで4段階の温度調整が出来ます。
ハンドルに固定するためのクランプも付いてくるので、操作しやすい場所につけましょう。
スイッチから配線が出ているので「スロットルワイヤーやスイッチボックス」と束ねてヘッドライトケースまで導くと、違和感なく取り付けることが出来ます。
ただ注意点として、「スイッチから出ている配線」が短めです。
キーシリンダー付近に取り付けるなら問題ないのですが、左右のスイッチボックス付近に取り付けようとすると長さがギリギリでした。
僕の車両は純正のハンドルです。
絞りが強いハンドルやポジションがかなりアップになるハンドルでは温度切替のスイッチから出ている配線が足りなくなると思われます。
その場合は、配線を延長する必要があります。
グリップヒーターの「比較」・「取り付け」まとめ
「巻きつけタイプ」と「一体型」の比較↓
- 金額は「巻きつけ」「一体型」ともに大きな違いはない。(一体型のスイッチ内蔵モデルは高価)
- グリップの太さはどちらも33mm~34mm程度。純正ハンドルと比べ太くなる。(高価なモデルは細い)
- 取り付けの手間はどちらもそんなに変わらない。
- 巻きつけタイプは「紐で縛っている部分」が暖かくならない。長距離走ると気になる。
※キジマより、デイトナの方がパワーがある感じがする。
店舗に取り付けをお願いした場合↓
- 取り付け工賃は6000〜7000円程度。(ネイキッドバイクの場合)
- 本体と合わせると「12000~15000円」くらいかかると思われる。
グリップヒーターの取り付け方↓
- 取り付けは「電光ペンチ」を使う
- メーターの照明など「キーON」で電気が流れるところから電源を引っ張る
- 取り外すことを考えるなら「キボシ端子」を使い、取り付けると便利
まとめるとこんな感じです。
自分で作業すれば、本体代金「5000円程度」で冬の寒さから手が開放されます。
冬にもバイクに乗りたい人にはおすすめですよ!
今回使用した「工具・部品」はこちら↓