バイク整備・カスタム

「CB400SS」「CL400」メインジェットの交換方法を解説!

2021年9月8日

「CL400」「CB400SS」メインジェットの交換方法

この記事では「CL400」「CB400SS」のメインジェット交換について書きました。

マフラー交換後などに、「アクセル全開」時の調子が悪い方は参考になると思います。

先日スーパートラップマフラーに合わせてキャブの「パイロットスクリュー」を調整しました。

詳しくはこちら!

アイドリング〜低回転時の燃調に影響する部分です。

普通に街乗りする上で、多用する回転域の調子は「パイロットスクリューの調整」でなんとかなることが多いです。

しかし僕の車両は「アクセル全開」時の「息継ぎ症状」が残っています。

400cc程度であれば、幹線道路への合流などで「アクセルを全開」にするタイミングが時々あります。そんな時に作用するのが「メインジェット」です。

アクセルを全開にした時、「ガッガッと」一呼吸おいてから加速したり、「レブリミットに当たった」ように吹けなかったりする時は燃料が薄いか濃いかどちらかです。

(燃料が薄いとエンジンによくないですし、濃いとプラグがかぶります。)

どちらの症状なのか判断するのには、ある程度経験が必要ですが、いくつか方法があります。

※スーパートラップマフラーは以前解説したように、「皿(ディスク)」の枚数を調整することで、「マフラーの抜け」を変化させることができます。

「抜け」を変化したとき調子がよくなるか、悪くなるかで大まかな傾向は掴むことができます。(通常はマフラーの抜けを変化させることはできません。そのためエアクリーナーを外したり、チョークを引いて燃調を操作して、傾向を掴みます。)

ちなみに、今回は車検時にマフラーを変えましたが、その時は調子がよくなりました。(きちんと上まで回る)つまり、「抜けが悪くなるとエンジンの調子が良い」ということなので、現状のスパトラでは「燃料が薄い」と判断しました。

現状で燃料が濃かったら、「抜けの悪いマフラー」に交換した際さらに調子が悪くなるはずです。

現在入っている、メインジェットは#150番ですが、#155と#160を入手したのでそれに交換して様子を見ます。

※単気筒は購入するメインジェットが一つで済むので経済的ですし、整備性も最高です。4気筒だったら自分でやりたくないですね(笑)

「CL400」「CB400SS」メインジェット交換の解説

適合するメインジェットは・・・

適合するのは「ケイヒン・丸・大」です。
適合するのは「ケイヒン・丸・大」です。

「CL400」「CB400SS」の場合、ケイヒンのキャブですので、メインジェットは「ケイヒン・丸・大」のものが適合します。

メインジェットの交換はキャブの「フロートチャンバー」(ガソリンが溜まっているところ)を外してアクセスします。

フロートチャンバーを外します。
フロートチャンバーを外します。

1:「ブローバイガスのホース・タンク」を外す

ブローバイガス・タンクを固定しているボルト(10MM)を外す
ブローバイガス・タンクを固定しているボルト(10MM)を外す

キャブの分解に邪魔になるので、ブローバイガスのホースとキャッチタンクを外します(ネジを緩めればOKです)

2:キャブに入っているガソリンを抜く

最初に燃料コックをOFFにします。

ペットボトルを切って使います。
ペットボトルを切って使います。

ペットボトルをカットしたものを用意して、キャブのドレンボルトにセットします。

ドレンボルトを緩めるとガソリンが出てきます。
ドレンボルトを緩めるとガソリンが出てきます。

キャブにはドレンボルトがあります。このネジを緩めるとフロートチャンバーからガソリンが出てきます。

ホースが繋がっているので外してからドレンボルトを緩めます。

ガソリンはタンクに戻しておきましょう。

ガソリンが出てこなくなったらOKです。

3:フロートチャンバーを外す

フロートチャンバーを外します。
フロートチャンバーを外します。

フロートチャンバー(ガソリンが溜まっている場所)は4本のネジで止まっているので、そのネジを外していきます。

本来は一度キャブを車体から外して、行なう作業です。

僕は面倒なので車体に取り付けたまま行っていますが、ネジを舐めないように注意してください。

障害物が多く、力を入れにくいです。手持ちの工具で対処出来ない時は、無理に外そうとしないほうがいいです。

押し付ける力を掛けるためにこの組み合わせで外しました。
押し付ける力を掛けるためにこの組み合わせで外しました。

通常のドライバーはスペース的に入りません。

スタッビドライバーなら入りますが、力が掛けにくいので僕は「ミニラチェット」と「#2のプラスビットソケット」を使用しました。

もしドライバーを使用する際は、「押す力8・回す力2」(もしくは7:3)ですよ!

「単気筒」は整備性がいいので、このやり方でなんとかなっていますが、4気筒だったら・・・です。

エンジン側の2本は難しくないのですが、エアクリーナー側(特に車体左、ブローバイガスのタンク付近)はスペースが少ないです。

ネジが外せれば、フロートチャンバーが取れますが、この時フロート(内部にあるプラスチックの部品)にあまり触らないようにします。(油面がずれるとオーバーフローします:ガソリンが漏れてくる)

4:メインジェットを外す

メインジェットはスタッビドライバーで外す
メインジェットはスタッビドライバーで外す

フロートチャンバーが取れれば、内部の真鍮製の部品(金色の部品)が見えて来ます。メインジェットはマイナスドライバーで外します。

あとは新しいメインジェットを取り付けて元に戻せば、完成です。

真鍮製のパーツは柔らかいです。
強く締め付けると破損する事があるので、止まっていたのと同じくらいの力で締め込みます。ギュウギュウに締め付ける必要はありません。

キャブの内部は非常にデリケートです。外見では分からなくても、ガソリンが通る通路を傷つけると不調になります。慎重に作業しましょう。

整備性向上のために

ヘックスボルトに交換しました。
ヘックスボルトに交換しました。

次回開けるときのことを考え、プラス#2のネジではなく、ヘックスのボルトに交換しました。

プラスネジに比べ舐めにくいですし、「ボールポイント」でアクセスできれば、作業しやすくなります。

アクセス性の悪い場所はボールポイントが便利
アクセス性の悪い場所はボールポイントが便利

※ボールポイントは通常のヘックスに比べると、アクセスしやすいですがデメリットもあります。

通常のヘックスビットに比べ「ネジを痛めやすい」のと「トルクをかけられない」ということです。

確かに、「ガッチリと止まっているボルト」ではボールポイントで作業すると工具が折れたり、ネジを痛めるリスクがありますが、今回の場所は大きな力をかける場所はないのでデメリットより、メリットのほうが大きいと判断しました。

FCRキャブレターなどでは、専用のヘックスボルトが売っていますので「自分でセッティングする人」はよく変更してしまう部分です。

ちなみに交換したボルトのサイズは「M4の全長16MM」です。

ホームセンターで入手しました。

補足

今回は、いつも紹介している整備に比べ少し難易度が高いです。

作業自体はそこまで難しくないですが、セッティングを悪化させてしまったり、ゴミを混入させてしまうと出先で「エンジン始動困難」(止まってしまう)可能性もあります。

「メインジェット」はアクセル開度半分〜の領域なので、交換後エンジンを始動させた時は問題なくても「少し開けたあと、プラグがかぶってしまい動かなくなる」可能性もあります。

また、空ぶかしと実際に走行する際ではエンジンに掛かる負荷が異なるので、「空ぶかしでは問題なくても、実際に走ったら調子悪い」なんて事もあります。(逆に、空ぶかしで調子悪く、走行時に調子がよくなることはないです。)

僕も、出先で動かなくなってしまい家まで押して帰った経験が何度もあります。そうやって苦しい思いをして学んでいくんですね(笑)

もしチャレンジする場合は「出先で止まっても元に戻せる装備」を持って、バイクに乗るようにしましょう。

できれば最初は家の近所(何かあっても押して帰れる距離)をしばらく走りましょう。(エンジンが温まると調子が変化する可能性があるため)

元のセッティングに戻すための道具
元のセッティングに戻すための道具

僕の場合具体的には、「予備プラグ(プラグレンチ)」「元のメインジェット」「メインジェットを交換するのに必要な工具(僕の場合は:スタッビマイナスドライバー・3MMの六角レンチ・10MMのソケット)「真鍮ブラシ(プラグがかぶった際の再生に使用)」このへんを持ち運びます。

慣れれば15分も掛からずに元のセッティングに戻せるので、セッティング後しばらくはこれらの道具を持ち運ぶことをおすすめします。

「CB400SS」「CL400」メインジェット交換 〜まとめ〜

1:ブローバイガスのホース・タンクを外す(スペース確保のため)
2:キャブに入っているガソリンを抜く
3:フロートチャンバーを外す
4:メインジェットを入れ替える

・キャブは非常にデリケート(内部にゴミが入ったり、傷がつくと調子が悪くなってしまう)
・ガソリンの扱いには注意する
・試乗する際は「元に戻せる道具」を持って走り出す

キャブは今まで紹介した整備に比べ、難易度が高いです。

※チャレンジする際は「自己責任」でお願いします。

いきなり初心者が手を出すのはおすすめしませんが、身近に「キャブ整備」をできる人がいるなら、やり方を聞きながらチャレンジしても良いかもしれません。(僕は知識も経験もないのに、いきなりばらして調子を悪化させました(笑))

キャブ整備をできるようになるとバイクの調子を自分で維持することが出来ますし、何より楽しいのも事実です。

それでは!

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