少し前になるのですが、エンジニアブーツをソールカスタムしました。
数ヶ月間、主にバイク用として使ったところ「エンジニアブーツに抱いていた不満点」を取り除くことができたので紹介します。
この記事はこんな方におすすめ
- バイク用にブーツが欲しい。
- エンジニアブーツの購入を検討している。
- エンジニアブーツをバイク用として使っているが、気に入らない点がある。
目次
1:エンジニアブーツは癖が強い(笑)!
映画などで俳優が、バイクに乗るシーンではエンジニアブーツを着用しているシーンが多いです。
みなさんも「バイク=エンジニアブーツ」というイメージがあるのではないでしょうか?
バイク用品店のブーツ売り場にもエンジニアブーツは並んでいますよね。
↑はバイク用ブーツとして有名なAVIREXから出ているショートエンジニアブーツ。
↑はチペワのショートエンジニアブーツ。今回ボクがカスタムした物と同じです。
僕もバイクに乗り始めた際、エンジニアブーツ購入しました。
バイクに乗り始めたころって何を選んだらいいのか分からなかったので、とにかく安全性の高さで選びました。
当時は特にブーツに詳しいわけでもなかったです。
「バイク=危険」というイメージだけはあったため安全そうなものを選びました。(見た目の問題で、バイク専用のブーツは選びませんでした)
ポイント
エンジニアブーツは金属加工などの就業時に「作業者の足を」守るためのものです。
つま先にスチール(鉄板)が入っていて、鋭利なものを足先に落としても怪我しないようになっています。
転倒時に足を保護するという意味ではバイクに向いていると思いました。
つま先には結構なキズが入っていますが、これらは転倒時にできたキズです。
僕が「ハイサイドで吹っ飛んだ時」や「トラックと衝突した時」にもこのブーツを着用していたので、足の怪我はありませんでした。
しかし以前紹介したように、最近の僕はバイクに乗る際には「レッドウイング」のブーツばかり使っています。
理由はレッドウイングの方が楽だから。
バイク用途に使わなくなった理由は、主に以下の3つです。
①エンジニアブーツは重い。
先に述べたようにエンジニアブーツは安全性を確保するため、つま先に鉄板が入っています。
当然ですが、重量は増えます。
また、つま先以外も強度を確保するため、分厚く強固な革が使用されており、重い部類のブーツです。
本来「作業時の足の保護」に使う安全靴ですので、普段使いに使用するようなブーツではありません。
出かけるのに使うブーツではないということです。
スニーカーなどと比べたら雲泥の差ですし、レッドウイング等のワークブーツと比べても、やはり重いです。
②エンジニアブーツは歩きにくい。
①とつながるのですが、エンジニアブーツは歩くことを前提に作られたブーツではありません。
僕は新古品(タグが付いた状態)で購入したのですが、本革のブーツは自分の足に馴染ませるためには履くしかありません。
そのため、しばらくエンジニアブーツを普段使いに使用したのですが、相当不快です(笑)
エンジニアブーツは紐靴ではないので、レースアップのブーツにくらべ足に固定されません。
ベルトで固定はするものの、紐靴に比べると靴と足の密着感は少ないです。
またエンジニアブーツのソールは硬い素材なので、歩いた際の衝撃は足にダイレクトに伝わります。
普段履いているスニーカーが、いかに衝撃を吸収してくれていたか実感します(笑)
これは、ツーリング先で出歩く際も同じです。
③ステップバーにヒールが引っかかる問題
①と②はバイクから降りた際、ツーリング先で出歩くときなどに生じる問題です。
バイクだと、ほとんどの時間はバイクに乗っているわけですから、安全性を重視するなら目を瞑ることもできます。
ですが、エンジニアブーツはバイクに乗っている時の操作性にも問題が発生します(笑)
エンジニアブーツでは、ヒールに高さが付いています。
これはエンジニアブーツの特徴で、レッドウイングなどの他社ブランドのエンジニアブーツもヒールに高さがあるのが普通です。
↑はレッドウィングのエンジニアブーツです。ソールに高さがあるのがわかると思います。
このヒール、バイク用としてはイマイチです。
(見た目はかっこいいのですが。)
バイクに乗る際は、ステップに足を乗せることになるのですが、この段差が引っかかって足を動かしにくいのです。
「スポーツタイプ」のバイクや、「一般的なネイキッドタイプ」の乗車姿勢では乗りにくく感じる方が多いと思います。
アメリカンタイプのバイクでは「ヒールが引っかかることが操作をしやすくする」こともあるようです。
バイク乗りの中では「ヒールが引っかかるのが使いにくい」と感じるタイプと、「ヒールが引っかかるのが使いやすい」と感じるタイプに分かれるようです。
僕は完全に前者です。
バイクに乗っている時って、思っている以上に足を動かしてます。
通常のバイクでは、左足でシフト操作をしますが、この時に踵がステップに引っかかり動かしにくいんです。(シフトペダルの下に足を入れてシフトアップ、シフトペダルの上に足を載せてシフトダウンしますよね)
革の硬さは使うことや、オイルを塗ることで徐々に改善されていきますが、ヒールが引っかかる問題は改善されません。
安全性が高いのは理解していても、僕がバイクに乗る際に使わなくなった理由はこんなところです。
2:ソールを交換した「チペワ ショートエンジニアブーツ」
上記の理由から、しばらくバイクでの使用は見送られていた僕の「チペワ ショートエンジニアブーツ」。
ホコリを被っていましたが、使わないのももったいない。
そこで、不満点を改善してバイク用にカスタムすることにしました。
ワークブーツである以上、ある程度の重量は我慢しなければいけません。「安全性」とトレードオフなところもありますし。
※軽量化を優先して、つま先に入っている鉄板を抜いてしまう方法もありますが、予算の問題で今回はソールのみのカスタムとしています。
履いたときのクッション性を高めたかったので、ソールをクレープソールに交換することにしました。
実は「エンジニアブーツをクレープソールに交換するカスタム」はそこまで珍しいカスタムではありません。
バイク乗りに限らず、履き心地の悪さを訴える人は多いようで(笑)実は定番のカスタムです。
クレープソールを選んだ理由は主に3つです。
ポイント
・着地時のクッション性を高める
・軽量化する
・操作性向上(ステップバーにヒールが引っかからないようフラットソールにする)
①:クッション性向上
今回は、国産のクッションソールにソール交換しました。
このタイプのクレープソールは「レッドウイングのアイリッシュセッター」などで使われているものと同じタイプのものです。(レッドウイング純正だったり、ビブラムだったりの違いはありますが)
こちらの記事でも紹介している通り、このタイプのクレープソールはクッション性が高いです。
つまり履き心地がいいです。
ニューバランスなどの「ハイテクスニーカー」とオールスターなどの「ローテクスニーカー」を比べると、ハイテクスニーカーの方が履いていて楽です。
同じような感じで、このクレープソールはクッション性に優れるため、純正の硬いソールと比べると履き心地が快適になります。
②:軽量化
クレープソールは純正のソールに比べると、軽量です。
僅かな変化ではありますが、もともとが重量のあるエンジニアブーツですから、軽くなるに越したことはありません。
③:操作性向上
ソールがフラット(踵の段付きがない)になることで、ステップバーに足をのせたときにヒールが引っかからなくなります。
僕としては、ここが一番のポイントです。
「シフト操作時」や「リアブレーキ操作時」には、ステップバーの上で足の位置を変化させて乗りますからね。
峠などでコーナーを走る時にも、足でステップバーを踏む場所を変えてバランスを取ったりします。
最初に述べたようにオートバイは「足の位置を動かして」操縦しています。
実際、バイク専用のブーツ(シューズ)でヒールに段差が付いているものはほとんどありません。
ソールをカスタムすると、履き心地がかなり変わります。
狙った通り「歩行時の履き心地」と「シフト操作の向上」は快適になりました。
ヒールのあるブーツをフラットソールにしようとすると、設計の関係上靴の高さがずれます。(後ろに傾いてしまう感じです)
そのためミッドソール(ソールと靴の間)を一枚多く入れました。
このへんは実際に店舗に行って、職人さんと相談しながら決めました。
「チペワ」や「レッドウイング」などのワークブーツは高額なブーツではありますが、カスタムして自分だけのブーツを作るのも楽しみの一つです。
使用に伴いソールがすり減ってきたら、交換して履き続けられるブーツです。
エンジニアブーツの「ソール引っかかる問題」に悩んでいる方は、フラットソールへの交換を考えてみては?
ソールの張替えを行っている靴屋であれば、お願いできるところが多いと思いますよ。