みなさんバイクの整備やカスタムをする際、工具をどのように持ち運んでいますか?
一番の理想はガレージに車両を保管して、工具を備え付けの状態にすることですよね。この状態であれば、必要な工具を工具箱から取り出すだけです。
ですが、バイクを所有している人がみんなガレージを持っている訳ではありません。
ひとり暮らしの場合やマンションに住んでいる方の多くは、駐輪場にバイクを保管することになると思います。
その場合、共用スペースを使って整備することになるので、自分の工具を置きっぱなしにすることはできないですよね。
僕はバイクに乗り始めてからずっとマンション・アパートで整備をしてきました。
10年間いろいろと試した結果、「集合住宅(駐輪場)でのバイク整備道具の運搬方法」が自分の中で確立したので、今日はその事について語りたいと思います。
この記事が参考になる人はこちら
・青空整備をすることが多い
・持ち運びに適した工具箱がほしい
・工具箱を安価に揃えたい
・ツールバックのレビューを知りたい
目次
マンション・アパートの整備がガレージ整備と異なる点・ポイント
持ち運べる量には限りがある
最初に述べたように、「マンション・アパート」では駐輪場での整備になるので工具やケミカル関係の道具をバイクのそばに置いておく事ができません。
整備に使うのは工具だけではなく、スプレーやウェスなんかも使います。
持ち運ぶ物が多いと、自宅から駐輪場まで何回も往復しなければいけません。
整備を始めるのに時間と手間がかかるとやる気も無くなりますし、屋外では日が暮れると作業できません。
日中の限られた時間を使うわけですから、整備以外にかかる時間はできるだけ少なくしたいところです。
道具の持ち運びを楽にするには、「必要な道具を見極めること」が重要になってきます。
例えば、「六角穴付きボルト」を取り外すには「六角レンチ」を使うほかにも、ラチェットレンチに「ヘックスビットソケット」を取り付けることでも取り外すことができますし、ヘックスビットソケットの中にも、「ボールジョイント」になったものや、長さが異なるものなどたくさん種類があります。工具の持ち運びを考えなければ様々な状況に対応できるように揃えることが理想ではありますが六角穴付きボルトを外すためだけの道具でかなりの重量になってしまいます。
車載工具では収納できるスペースが限られているので、なんでもかんでも持ち運ぶことはできません。本当に必要な工具を入れておきますよね。少し極端ですが、「集合住宅」での整備ではそれに近い考え方が必要だと思っています。
工具箱の重量も考える
工具は金属製種類が多いと重くなります。
それを収納する工具箱も金属が使われる事が多い訳ですが、当然重量が増えてしまいます。
以前僕が使っていた3段チェストも7〜8キロくらいありましたし、有名メーカーの場合そのくらいの重量のものが多いです。
その中に工具を詰めていくと、「総重量は15キロ、20キロ」になってしまいます。気を付けないと腰を悪くしそうなくらいの重量です。
据え置きにするなら重量がある工具箱は安定するのでいいですが、持ち運びに適していないことは明確です。
スライド式の3段チェストは「いかにも工具箱」という感じで憧れがあったので、僕も買ってはみたのですが、あまりにも重くて持ち出しにはほとんど使いませんでした。
家の中で特殊工具などの収納に使っていたのですが、やはり場所を取るので先日処分してしまいました。
蓋付きの工具箱には入らない工具がある
ホームセンターには強化プラスチックでできた工具箱がよく売っています。
僕も最初はホームセンターで買った汎用のボックスタイプを使っていました。
このタイプの工具箱はホコリやゴミが入るのを防ぐことができますが、内部の寸法より大きな工具を入れる事ができません。例えば、キャブの調整に使うような「ロングシャンクのドライバー」などの長い工具や「長めのスピンナーハンドル」なんかも厳しいです。
工具と一緒に持ち運ぶウェスやスプレーなども入れることができないですね。
収納スペースが1つか2つのものが多く、どこに何が入っているのかわかりにくい点も僕が使わなくなった理由の一つです。
BAHCO 電工バッグのレビュー 「4750FB3-12」
ここからは僕が現在使っているツールバッグの紹介です。
僕は長いことツールバッグをバイク整備用の工具箱として使ってきました。ホームセンターで買ったものを気に入って使っていたのですが、穴が空いてしまったので新しく購入しました。
これが使い勝手が良くて、「現在考えられるベストなもの」だと結論付けたので紹介します。
このバッグ、自動車やバイク整備向けではなく電気工事向けのようです。名前が「電工バッグ」ですのでわかりやすいですね。
ちなみにバーコはスウェーデンの工具メーカーで現在はスナップオンの傘下です。バーコのモンキーレンチやニッパーなんかは有名ですよね。
このバックを選んだポイントは以下の7点です。
ツールバッグは重量が軽い
このツールバッグは重量が約2キロです。金属製ではなく布製なので当然といえば当然ですが、持ち運ぶことを考えるとこの重量はやはり大きなポイントとなります。
強化プラスチックの工具箱や、他のツールバッグでもっと軽いものもありますが、軽いものは耐荷重が低いものが多いです。
金属製の工具箱は耐荷重が高いですが、重量があるので持ち運びに向いていません。
耐荷重が20キロ
ホームセンターなどでよく売っているツールバッグは耐荷重が5キロ程度のものが多いです。
いくら必要な工具を厳選しているといっても、バイク整備に使うハンドツールではこの耐荷重を簡単に超えてしまいます。
ツールバッグのカタログを見ると、使用例の写真には「電動工具やビットなど」が収納されていることが多く、メガネレンチやラチェットレンチなどのハンドツールはあまり写真にのっていません。
自動車やバイク整備に使うことはあまり考えられていないのだと思います。僕が以前使っていたツールバッグは耐荷重を無視して使っていたので穴があいてしまったのかもしれませんね。
触って見ると分かるのですが、さすがに耐荷重20キロを謳っているだけあって以前のものよりしっかりしています。素材の厚みや中に入っている芯がしっかりしているイメージです。
さすがに20キロの道具を詰め込んだら持ち運びが大変ですが、バッグ自体の作りがしっかりしていることは良いことですよね。
ポケット(収納スペース)は50個
このツールバッグはビットやドライバーなどを差し込む小さな収納ポケットを含めると、50個の収納スペースがあります。
工具バッグの中で工具がごちゃまぜになることがありません。(最初は収納場所が多すぎてどこに何が入っているのかわかりにくいかもしれませんが、すぐに慣れます。)
工具の種類ごとに分ける事ができますし、ツールバッグの良い点として何がどこにあるかひと目で分かるので非常に使い勝手が良いです。
通常の工具箱は横置きで工具を重ねるように収納するものが多いですが、ツールバッグは縦に収納することが多く、どこに何があるか上から見てひと目で分かります。
上部に蓋もないので、工具箱に入れる事ができなかった長い工具、「ロングシャンクのドライバーなど」も収納できます。
メイン収納として3分割されている場所には、ラチェットレンチ関連や常備しているケミカル、メガネレンチやウェス、整備によって使用するスプレーなどを収納しています。
サイドのポケットにはドライバー各種やペンチなどの掴みものを入れて、このツールバック独自の下部についているジッパーで開閉する収納スペースには配線関係に使用する端子などを収納しています。
ツールバッグによくある「真ん中の取っ手」がない
ツールバックの中でも横に大きいタイプ(長方形のもの)には真ん中に金属製の取っ手がついている事が多いです。
大きなツールバックでは収納物の総重量も重くなるので強度を出すために、金属製の取っ手が必要なのもわかるのですが、この金属製の取っ手が道具を出し入れする時に邪魔になるんですよね。
取っ手が可動するタイプも使いましたが、多少は動くとしても僕の使い方ではやはり使いにくかったです。
下部に独立した収納スペースあり
標準でプラスチックの小物入れが付属しますが、サイズが僕の用途にはいまいちだったのでホームセンターで自分が使いやすいものを買って入れ替えています。
このスペースには配線関係に使うもの(端子や熱収縮チューブなど)を入れています。
工具を入れているスペースからは完全に独立していて、小物入れに収納しているので小さな部品が工具箱の中で迷子になることもありません。
底は水が染みないよう強化プラスチック
ここに特にこだわりはなかったのですが、以前使っていたツールバッグは底に穴が空いてしまったことを考えると、補強されているのは良いことだと思います。
強度的なことよりも、水が染みて来ないことの方が大事かもしれませんね。
屋外で整備する場合、雨上がりなどは地面が濡れていることもあります。工具はメッキ加工がしてあるとはいえ、「鉄」で作られている事が多く、特にペンチやニッパーなどは湿気が高い環境で保存するとすぐにサビてしまいます。
ドライバーの先端部分やヘックスビットソケットなどもよくサビが発生します。
556などを使い、表面のサビを拭き取るようにメンテナンスすれば取れるのですが、できることならサビさせたくないですよね。
またバッグ自体が濡れてしまうとイヤな匂いが発生することもありますし、家の中での置き場に困ることもあります。底がプラスチックなら濡れてもサッとひと拭きすれば大丈夫なので使い勝手がいいです。
価格が金属製に比べ安価
金属製の工具箱は強度があり長いこと使える反面、金額も高価です。
ツールバックは素材が布ということもありますが、ホームセンターに売っているものなら2〜3000円からありますし、今日紹介したバーコの電工バッグでも1万円未満でした。
バーコの電工バッグは、海外製ということもありホームセンターで売っているツールバックに比べると値段が高いです。
その分、今まで使っていたツールバッグに比べると質感が高い事がはっきりと分かりますし、有名メーカーの工具箱に比べると圧倒的に安いです。(国内メーカーで大手のKTC製の工具箱だと、2万円~くらいすると思います。)
BAHCO ツールバッグ 〜まとめ〜
以上がBAHCOのツールバッグを使っての感想です。
「集合住宅に住んでいて、整備するたびに工具を持ち運ぶ」という、僕と同じ条件の人には参考になると思います。
理想は自分のガレージを持ちたいですけれど、なかなか現実的には厳しいですから。
この記事が皆さんの工具箱選びの参考になれば幸いです。