先日会社の同僚からバイク整備を始めるのに工具を揃えたいとの相談を受けました。
もちろん上を見ればきりがないのですが、「趣味として維持費を浮かせるため」に整備を自分でやってみたいとのことで、予算は低ければ低いほどいいようです。
僕もそうでしたが、最初は整備が楽しいということよりも、維持費を安く上げることが目的だったりします。
今日は、同僚におすすめした内容と同じですが、初めて整備の道具を揃えるのにおすすめの工具を予算1万円でリストアップしてみようと思います。
僕も、高いものから安いものまでいろいろな工具を使ってきましたが、その中で使えたものを紹介していきます。
〜この記事が参考になる人〜
①これからバイク整備をはじめたい人
②工具に予算はあまりかけたくない人
① ラチェットレンチ
「整備の定番」で使用頻度が高い工具です。
後で紹介するソケットと組み合わせて使います。ハンドルはいろいろなメーカーから出ているのですが、ここでは「sk11 ラチェットレンチ」をおすすめします。
この工具を選ぶ際のポイントは首振り機構がついていることです。
この機構がついていると障害物を避けてボルトにアクセスできるので、整備できる幅が大きく広がります。
ラチェットハンドルにはサイズの規格があり、小さなボルトと大きなボルト両方に対応できるのは3/8サイズです。一番汎用性があるので最初は3/8を選べば問題ないでしょう。
価格を考えると、これ以上のコストパフォーマンスを発揮する製品は探すのが難しいのです。
実際に長い間使ってきましたが、耐久性も問題ありません。ホームセンターなどでも入手しやすいと思います。
ソケット
最初に紹介したラチェットハンドルと組み合わせて使う工具です。
ソケットはいろいろな形状のものが売られています。
まず最初に揃えるのは「スタンダードソケット」と呼ばれる6角ボルトに使うソケットと、「ヘックスビットソケット」と呼ばれる、6角レンチの代わりに使えるソケットがあるといいです。
ソケットもサイズには規格があるのでハンドルと同じ3/8サイズを選びましょう。
よく使うサイズがセットになっているので、スタンダードソケットもビットソケットも3/8サイズでセットになっているものであれば、ほとんどの場合に対応できるサイズになっていることが多いです。
外車の場合はボルトがインチネジになっています。日本車向けの工具は使えないので事前によく確認しましょう。
メガネレンチ・コンビネーションレンチ・スパナ
ラチェットレンチがあるとこの工具はあまり出番が無いかもしれません。ですが、スペースの問題でどうしてもラチェットレンチが使えない事があります。
固着していて強い力をかける必要がある時や、回り止めとして裏側から固定するのに使ったりもします。
10mmのボルトを回すことができる工具がラチェットセットだけではだめなんです。
ミラーなど通常のメガネレンチやラチェットレンチが使えない場所は、スパナ(コンビネーションレンチ)を使う必要があります。
メガネレンチとスパナ両方を揃えてもいいのですが、今回は予算が限られているのでコンビネーションレンチを選ぶといいと思います。
コンビネーションレンチもセットになっているものだと、よく使うサイズをカバーしているのでおすすめです。
メガネレンチは「ボルトを囲うようにして工具を掛ける」のでボルトをなめることが少ない工具です。
安価なものでも、実用上困ることは少ないです。
もちろん耐久性や工具の精度などは高級品の方がいいのですが、休日に少し使う程度なら正直関係ない気がしています。仮にもう一度僕が工具を揃えるとしても、今回紹介するクラスのセットを購入します。
逆に片口レンチ(スパナなど)は構造上ボルトをなめやすいです。
「メガネレンチ」のようにボルトを囲っていないので、工具が開いてしまい力が逃げてしまいます。
そうなると高価なものの方がいいような気がしますが、そもそもスパナを使う場所のボルトはそこまで強い力で止まっていないことが多いです。(固着している場合を除く)
整備に慣れてくると、基本はメガネレンチかラチェットレンチ(どちらもボルト全面に接触するので舐めにくいです。)を優先的に使うようになります。スパナを使う時は、「ミラーの取り付け」や「ブレーキホース関係」(フレアナットという少し特殊形状したものを使うのがベストです)、もしくは「回り止め」として使う程度なので無いと困る工具であることは確かなんですが、あまり出番がない工具でもあります。
なのでここの部分に関してもそこまで高級な工具はいらないかなというのが僕の意見です。
※あくまでもバイクの場合です。
ドライバー
バイクに限らず、家具の組み立てなどでも使うことの多いドライバーですが、オートバイの場合は2番をよく使います。
キャブを触ったりする場合は1番と3番もあるといいですが、まずは2番を揃えましょう。
ドライバーは工具の質が強く反映されるので有名メーカーのものをおすすめします。
ベッセルのドライバーは持ち手の部分がグリップになっていて使いやすいです。値段も数百円で買えます。
ラジオペンチ、ニッパー
奥まった場所にあるものを掴んだり、タイラップ(結束バンド)をカットしたりするのに使います。
最初は万能的な150mm程度のペンチとニッパーがおすすめです。
この工具もピンきりですが、最初は安いものでいいと思います。
もちろん高級品の方が噛み合わせが良かったり、先端が小さく使いやすかったりするのですが、こだわり始めるときりがありません。
先端が曲がったものや、ホースを外すための専用品など種類もたくさんあります。
おまけ サービスマニュアル、パーツリスト
これは車種によって金額が異なりますし、予算をオーバーしてしまう事が考えられるのでこのリストに入れるかどうか迷いましたが、一応入れておきます。
マニュアルは整備本のようなものなので、中古でも問題ないです。年式によって違いが少しあったりもするので自分の車両に合ったものを選びましょう。
マニュアルには締め付けトルクや整備方法、配線図が載っています。webで調べてもなかなか出てこない情報もあるのでマニュアルがあると助かる場面は多いです。
パーツリストは部品を注文するのに便利ですし、大体の部品の組み方が分かるのでこれもあると便利です。
予算に余裕がある場合、本格的に整備を考えている場合はこの2つを入手しておきましょう。
1万円で揃えるバイク整備工具 〜まとめ〜
上記の工具をアマゾンで調べた所、合計で8568円でした。(2021年4月)
sk11 ラチェットレンチ ハンドル 2014円
sk11 ソケット 1180円
sk11 ビットソケット 2318円
E-Value コンビネーションレンチ 1312円
ベッセル ドライバー 425円
三共 ラジオペンチ 150mm 542円
三共 ニッパー 160mm 777円
これらの工具があればできる作業はかなり多くなるでしょうし、高級ブランドではないですが、そこそこ有名なブランドです。
僕も実際に使いましたが十分な品質を持った工具でしたので、整備初心者が不満に思うことは少ないと思います。
最初はこれらの工具を使い、必要に応じて買い足していくのがいいでしょう。