今日はオートバイの維持費について話してみようと思います。
年間の維持費が「排気量ごと」にどのくらいかかるのか?
維持費のかかりやすい車種、維持費の安い車種はどれか?
このへんが今日のテーマです。
「これからバイクを買いたい」「できるだけ維持費の安いバイクがいい」こんな人向けの記事です。
※この記事を書いている管理人は、今までに「中型から大型まで」「スーパースポーツ・ネイキッド・クラシック」「空冷・水冷」などいろんなタイプのオートバイに乗ってきました。年式も「30年近く昔のものからインジェクションのもの」までいろいろです。
その中で色々と気づく点がありましたので、過去の経験からお話していきたいと思います。
※ここでは250ccと400cc、それ以上についての話をメインにします。
最初に排気量で変わる、維持費(税金など)をざっくり解説した後、「バイクの特徴から考える維持費」を解説します。
すでに理解している人は飛ばしてください。
目次
1:排気量ごとの維持費について
他のサイトでもよく解説されている所です。
オートバイに乗る以上(所有)絶対にかかる費用があります。例えば自賠責保険などの強制保険や、税金などです。250cc以上なら車検費用なども入ってきます。
ここに関してはざっくりと勧めていきます。
バイクにかかる諸経費一覧
①軽自動車税
②自動車重量税
③自賠責保険
④任意保険
⑤車検費用
バイクの維持費を調べると、「250ccは安い」というフレーズを一度は耳にすると思います。それを解説していきます。
①軽自動車税
250cc以下→年間3600円
250cc以上→年間6000円
年間で2400円の差です。
②重量税
250cc以下→新車時のみ4900円(中古車は関係ない)
250cc以上→1900~2500円(年式による)
③自賠責保険
これは以外ですが、250cc以上の方が年間数百円安かったりする。基本的に車検時に一緒に払います。ここではほぼ同じと考えます。
125cc以上250cc以下→9770円
250cc以上→9270円
※2年分です
④任意保険
任意といいつつ、事実上必須の保険です。最低限、「対人、対物無制限」の保険に入りましょう。
車の保険もそうですが、年齢が低いとどうしても保険料が高くなります。どうしても安くしたければネット(通信型)の保険がおすすめです。
20歳、新規、250cc以上の条件だと、月々3000~程度は必要になります。
※この部分は年齢、等級、保険会社によって差があるので20歳を想定しました。
⑤車検費用
これは250cc以上のバイクでは必要になります。
・「整備なし、車検通すだけ」の車検代行のようなパターン(お店)だと、38000円程度です。(中型、2000年付近の車両)
・「簡単な整備+車検通す」のようなパターン(お店)だと、50000円〜くらい。(この辺が1番多い気がします。)
・「普段メンテしないのでしっかりメンテ+車検通す」のようなパターン(お店)だと80000円〜くらいな感じです。
ちなみに、この費用には自賠責保険の費用も含まれています。
通常2年間分を支払うので、車検費用のうち9270円は250ccでも必要な費用です。
250ccでも必要な「自賠責」の金額を差し引くと(250ccでも払うので)車検でかかる費用(250cc)との差は26330円です。(僕の場合)
車検は2年に1回なので、年間だと13000円程度です。
思ったほど・・・ではないでしょうか?
大きいのは車検に伴う整備費用だったりするんですよね。
これだけ見ると、整備費用がかかるなら250ccの方が安くていいという風に思われるかもしれませんが、250ccで車検に伴う整備費用が掛からないとしても、快適にバイクに乗りたいのなら、メンテナンスは必要です。
タイミングは違えどメンテナンス費用が掛からない訳ではないので注意。
2:250ccを検討している人へ
車検のない250ccの維持費が車検のある250cc以上のバイクに比べやすいのは事実です。
ですがこれはあくまで「新車を購入したら」のはなしです。
「車検のあるクラス と 無いクラス」では中古車の質が違います。
250cc以上の車両は「車検」というイベントで強制的に必要最低限のメンテナンスはされています。
ですが、250ccの車両は「車検がない」ので最低限のメンテンスもされていない車両が多かったりします。(もちろんしっかりメンテナンスされている車両もあるのですが、車検のあるクラスに比べということです)
中古車で出回っている車両だとガタガタな車両も多いです。
(オーナーが多ければ多いほど、メンテンナンスにお金を掛けないオーナーに当たっている可能性も高いです。つまり古い車両はそれだけリスクが増えます。できればオーナーがわかっている車両や、整備録がある車両がいいですね)
自分に置き換えて考えてみてください。
あなたは自分の乗っているバイクを売ろうとしています。そのときプロにお願いして(工賃を払って)メンテンナンスしてから売りますか?
ほとんどの場合、NOだと思います。
バイクを売るときって「最高のコンディション」ではないことが多いんですよね。長期間放置されていた車両だと、いろんな所が傷んでいます。→パットみてキレイに見えても、エンジンがかかってもあとあと苦労する可能性はあります。
250ccだと車検がない分、そういった車両の率が高くなることは理解しておきましょう。
3:バイクの特徴から考える維持費
ここからが今日の本題です。
バイクの維持費は排気量ごとに諸経費が区分されているので、もちろん差はあります。
ですが、それ以上に差が出ると僕が考える点が2つ有ります。
ポイントは「エンジンの種類」と「車両の重量」です。
①:エンジン
バイクのエンジンにはいくつかの種類が存在します。
※6気筒などは特殊なので除きました。
単気筒エンジン
シングルともいいます。
代表的なのはカブなどの小排気量車や、SRなどのバイク。最近だと250ccスポーツバイクにも採用されています。管理人のバイクも単気筒です。このエンジンは小排気量エンジンに多いです。(大型クラスだと振動の問題がある)
二気筒エンジン
ツインともいいます。
代表的なのはハーレーですね。「並列ツイン」や「V型ツイン」、「L型ツイン」など同じ二気筒でも形がいくつかあります。
三気筒エンジン
トリプルともいいます。代表的なのは、トライアンフ。最近だとヤマハも出しています。種類は多くはないです。
四気筒エンジン
マルチともいいます。少し前まで日本車といえば4気筒車でした。高回転型にできるためパワーを絞り出しやすいです。その反面エンジンが重くなったり、部品点数が増えるのでコストがかかります。車などにも多く採用されるエンジンです。
これらのエンジン型式により、乗り味や音、エンジンの形などが大きく変わるのですが、同時に維持費にかかるコストも変わって来ます。
このページは初心者(もしくはこれからバイクに乗りたい人)向けに解説しているので、すごくざっくりになりますが「4気筒車は単気筒エンジンが4つ、つながったもの」だと思ってください。
基本的に「シングル→ツイン→トリプル→マルチ」の順に維持費は高くなります。
理由は簡単。シングルエンジンはピストンが1つですが、マルチだと4つです。
エンジンに火を飛ばすのに必要な「プラグ」「プラグコード」、空気とガソリンをエンジンに送る「キャブレター」、「エンジンの内部部品」や「マフラー」など単気筒なら1つで済む部品が4気筒だと4つ必要になります。
例えば「プラグ交換」であれば、単気筒はプラグ1本(通常は500円〜800円くらい)で済みますが四気筒では4倍(2000円〜3200円)かかります。
社外品だって同じです。四気筒車のマフラーは10万以上するのも珍しくないです。
部品だけではありません。工賃だって高くなります。
単気筒の4倍(単純に4倍ではないですがここでは便宜上4倍にします)かかる訳ですからわかりますよね。
4気筒車は維持費が高くつきます。これは排気量に関係なくです。
逆に単気筒(シングルエンジン)なら部品代も安い(厳密には部品が少なくて済む)し工賃も安い事が多いです。
もし時間があるなら、「ヤフーオークション」やバイク用品通販サイト「ウェビック(Webike)」で調べてみてください。単気筒のバイクの部品と四気筒のバイクの部品は金額に差があること分かると思います。
中古車を買う以上、ある程度の「メンテナンス」や「部品交換」は絶対に必要になります。
自分のバイクを買ったら「カスタム」に手を出したくなるかもしれません。先程計算した、250ccと400ccの年間維持費の差(13000円程度)なんて簡単に吹き飛ぶくらい、単気筒と4気筒の差は大きいです。
2気筒と、3気筒はその中間ですが、やはり単気筒のコストの低さは抜き出ています。
維持費を気にするなら、単気筒エンジンがベストです。
こう書くと僕が単気筒車に乗っているのでゴリ押ししているように見えるかもしれないですが、僕はもともと4気筒大好きです。集合管を付けたいかにもバイクという音は何にも代えがたいものがありますよね。
※4気筒車は各メーカーどんどん絶版になっています。(特に中型)それに伴い中古車の相場がとても上がっています。→それに釣られて中古バイク全体が上がっていると僕は思ってます。そのため、維持費を気にするなら車両代のコストがかなり上がってしまうのでなかなか選択肢には入りにくいかもしれませんね。
②:燃費(ガソリン代)
エンジンの種類とも関連しますが、燃費は車種によってだいぶ差があります。
これも単気筒→4気筒の順に悪くなる事が多いです。(あくまで傾向です。車種によって異なるので気になる車種は調べてください)
単気筒だと「小排気量車に採用されていることも多い」ので燃費がいい車種が多いです。
僕の場合400ccですが、25〜27キロ(リッター)走ります。新しい車両や、排気量が小さい車両はもっと良くなるはずです。
同じ400ccの4気筒車だと20キロ行かなかったです。大型だともっと悪くなります。
参考までに僕が乗っていた「4気筒ネイキッドではリッター18キロくらい」、「ss600ccではリッター18キロくらい」「リッターネイキッド(1300cc)ではリッター15キロくらい」でした。→もちろん乗り方にもよりますよ!
年間1万キロ乗るとして、ガソリンが150円(リッター)の場合。
単気筒(リッター25キロ)→ガソリン代60,000円
四気筒(リッター18キロ)→ガソリン代83,333円
差額は23,333円。
月々にすると、1944円になります。
もちろん走る距離によって変動しますが、バイクに乗り始めたときって楽しいから自然と走行距離が増えると思います。そうすると燃費の差も馬鹿にならないです。
③:太いタイヤと細いタイヤ
タイヤはバイクのランニングコスト(定期的に交換する必要がある部品)の中でも比較的高価で、代表的な部品です。
走れば走った分だけすり減っていきます。
タイヤ代は「タイヤのサイズ」と「種類」によって大きく異なります。「交換サイクル」も全然違います。
※タイヤは大きく2種類に分けられます。
1ラジアルタイヤ
2バイアスタイヤ
話がそれますが、タイヤはバイクの乗り味、走行性能に大きく影響します。最終的に路面と接しているのは「タイヤ」ですから当然と言えば当然ですが・・・
他のパーツを変えるより、タイヤ交換が1番高価を体感できたりします。
交換のタイミングでは、いつもより少しいいタイヤを選んでみることをおすすめします。
(1):ラジアルタイヤ
大型バイクや走行性能の高いバイクでは「ラジアルタイヤ」が採用されています。
ラジアルタイヤはグリップ感がよく最近の主流です。
すごくざっくりですが、タイヤサイズが太いモデルはラジアルタイヤが採用されていることが多いです。
①タイヤ自体の値段
性能は高い「いいタイヤ」なのですが、その分高価な傾向があります。ラジアルタイヤの中でもグリップ力重視の「ハイグリップタイヤ」や耐久性重視の「ツーリングタイヤ」などに分けられますが、グリップ力がいいタイヤほど高価です。
②タイヤのライフ
※この部分は使い方(乗り方)に大きく左右されます。
タイヤ自体の問題というより、ラジアルタイヤを装着する車両は重い車両である事が多いのでタイヤの消耗は早い事が多いです。タイヤの種類で比較するとグリップ力が高いタイヤほど消耗は早いです。
特に「ハイグリップタイヤ」の減り方はえげつないです。
写真は「BT003」 ハイグリップタイヤはすり減るのが早いです。
まるで「消しゴムのように」タイヤがすり減って行きます。(汗)(特に夏は路面温度が高い分、より早くすり減ります。)
写真のタイヤは交換後3000キロ程度で寿命を迎えました。サイド部分がすり減ってしまうんですよね。
この手のタイヤはセールで安くなっていても、前後で3~4万円はするのでお財布が厳しいです・・・
正直、コストを考えるならハイグリップタイヤは論外です。
僕は学生の時バイト代をほぼ全てバイク代につぎ込んでいましたが、「タイヤ代とガソリン代を稼ぐためにバイトを頑張っていた」と言って過言じゃないです。(笑)
エンジンの性能が高いバイク(大型バイクや外車など)はその性能に見合ったタイヤを装着しているので「太めのラジアルタイヤ」という1番高価なパターンが多いです。各社SSのタイヤは同程度品に交換すると、5〜7万円くらいします。しかも走り方によっては数千キロしか持ちません。
(2):バイアスタイヤ
ビジネスバイクや小排気量のバイクには「バイアスタイヤ」が採用される事が多いです。
このタイヤは90年代まで主流だったタイヤです。
すごくざっくりですが、細いタイヤはバイアスタイヤであることが多いです。
構造的にラジアルタイヤよりは、グリップ力が劣るとされています。(峠を攻めたり、サーキットを走らない限り必要十分です。)
エンジン出力がそこまで高くないバイクに採用されることが多いです。
クラシックタイプの車両にはよく採用されています。
「バイアスタイヤ」の中にも「ハイグリップタイヤ」や「ツーリングタイヤ」が存在するので一概には言えませんが、タイヤのすり減りは少ない傾向があります。(エンジンパワーが高いバイクや、車両の重量が重いバイクはタイヤがすり減り易いです。→そういったバイクのタイヤはラジアルタイヤである事が多いです)
①タイヤの値段
ラジアルタイヤに比較して安価であることが多いです。
僕の最近のお気に入りはバイアスタイヤの中の「ハイグリップタイヤ」であるTT100です。ハイグリップタイヤなので他のバイアスタイヤに比べ比較的消耗は早いですが、金額が安価なので助かっています。(前後で工賃込みで25000円くらいで交換出来ます。)
②タイヤのライフ
※この部分は使い方(乗り方)に大きく左右されます。
ラジアルタイヤに比べ、ロングライフで有ることが多いです。
写真は10000キロ弱走行したタイヤです。(そろそろ交換時期です)バイアスタイヤとは言え、ハイグリップタイヤでこれだけ持てば文句は有りません。(TT100は名作タイヤで、SRなどのクラシックバイクに乗られる人なら定番のタイヤです)
写真のタイヤに限らず、バイアスタイヤを装着する車両は「エンジンパワーが控えめ」「車両が軽い」ことが多いので、必然とタイヤのライフが長くなりますし、交換時の費用も安価な傾向があります。
維持費を考えるなら、バイアスタイヤの方がいいです。(バイアスタイヤが履ける車種)
④:ブレーキキャリパーの数
バイクに使用されるブレーキは大きく分けると2種類あります。
1油圧ブレーキ
2ドラムブレーキ
(1):油圧ブレーキ
最近のバイクでは採用される事が多いです。
ブレーキレバーを握ると、ブレーキフルード(オイル)が押し出されてブレーキホースの中の圧力が高まります。
その結果、ブレーキキャリパーのピストンが押し出されてブレーキパッドがブレーキディスクを挟み込み、ブレーキが効きます
強力なストッピングパワーを生み出しやすいですが、コストが高くなりますし、定期的なメンテナンス(パッドやディスクの交換、フルードの交換)が必要です。
(2):ドラムブレーキ
原付きや古い車両などで採用されるブレーキです。
耐久性が高いので、コストを考えるならドラムブレーキ一択ですが、コントロール性やストッピングパワーは油圧ブレーキに劣ります。
ほとんどのバイクでフロントブレーキは油圧ブレーキが採用されています。リアはドラムブレーキのバイクも多いです。
※ロードスポーツモデルのバイク(キャストホイールのバイク)はリアブレーキも油圧の事が多いですが、クラシックタイプ(スポークホイール)のバイクはリアブレーキがドラムのバイクも多いです。
バイクで制動のメインはフロントブレーキです。
リアブレーキは制動の補助や荷重のコントロールなどに使用するので、制動力自体はそこまで必要なかったりします。(サーキットを走る車両ではわざとリアブレーキの制動力を落とすために、効きの悪いパッドに交換したりします。社外品のブレンボのリアブレーキは制動力が低いんですよ)
ここでポイントになるのはブレーキキャリパーの数です。
「車両重量が重いバイク」「エンジンパワーが高くスピードが出るバイク」は強力なブレーキが必要です。
そのためブレーキディスクやブレーキキャリパーが左右に一つづつ、計2つついています。(これをダブルディスクと呼びます)
またブレーキキャリパーの中のピストンも軽量なバイクでは2つくらいですが、大型のロードスポーツモデルでは6つついている車両もあります。だいたいは4つです。(4ポッドキャリパー、6ポッドキャリパーなどと呼びます。)
写真は「型押し2ポッドキャリパー」 写真は「両押し4ポッドキャリパー」
写真の4ポッドキャリパーは90年代前半のバイクから取り外したものです。
ピストンにサビが出ています。(可動部分にサビがなければ、問題はありませんがサビがどんどん侵食していくと、ピストンの動きが悪くなります)
コストで考えると、当然シングルディスクのバイクよりダブルディスクのバイクの方が高くなります。
例えば、ブレーキパッドの交換やブレーキディスクの交換で倍の金額がかかるわけですから当然ですよね。
また、ブレーキキャリパーのOHをするとなれば、キャリパーピストンの数が多いだけ工賃や部品代が必要になります。両押し6ポッドキャリパー(ダブルディスク)のOHなんて考えただけで恐ろしいですね(笑)
ZRX1100や隼(初期モデル)なんかはこのタイプです。
維持費の安さを重視するなら、シングルディスクタイプのブレーキがいいです。
(ちなみに、ダブルディスクだからブレーキの効きがいいという訳ではありません。油圧ブレーキのマスターシリンダー「ブレーキフルード(オイル)を押し出す場所」の直径がシングルとダブルでは異なるため。)
⑤:エンジンの冷却システム
部品の数が多ければ多いほど故障のリスクは高まります。中古車ではより顕著です。
年数が経っている車両であれば、なおさらですよね。
ここまででお伝えしてきた、「4気筒車」や「ダブルディスク(ブレーキ)」は「単気筒」や「シングルディスク(ブレーキ)」に比べ部品点数が多いです。
ここではそれ以外の部分、「冷却システム」について解説します。
オートバイのエンジンは動いている間「熱」を発生させます。なので熱を冷ますための仕組みが必要なのですが、大きく2種類あります。
「空冷」システムと「水冷」システムです。(「油冷」は便宜上省略します。ごめんなさい)
(1):空冷エンジン
「空冷」四気筒エンジン 「空冷」単気筒エンジン
「空冷」は名前のとおり空気でエンジンを冷まします。
そのためエンジンには表面積を増やすためのフィンがついています。
走行時の風で冷やすことが前提なので、止まっている(渋滞など)では冷やすことができません。(とはいえ中型クラスではあまり気にしなくて大丈夫ですが)大型車などでは少々気を使う必要があります。
空冷エンジンのメリット
構造がシンプルです。走行風で冷やす前提なので、フィンはあるものの特に冷却システムがないからです。
空冷エンジンのデメリット
ウォータージャケット(後で解説します)がないのでエンジンのメカノイズがダイレクトに聞こえます。特に古い車両ではエンジンが少しにぎやかです(笑)これは新車販売時の騒音規制に対してものすごく不利だったりします。
そのため、空冷エンジンは新車のラインナップからどんどん姿を消しつつあります。
止まってしまうとどんどんエンジンの温度が上がっていくので、渋滞は得意ではありません。
(2):水冷エンジン
「水冷」は名前の通り水(エンジン冷却用の特殊な水です)でエンジンを冷やします。
エンジン内部に水が通る経路があり、そこに水を流してエンジンの熱を吸収します。エンジンから出てきた「温まった水」はラジエターで冷やされもう一度エンジンに入って行きます。
車のエンジンはほぼ全て、水冷エンジンです。
水冷エンジンのメリット
・冷却装置を持っているので、走行風がなくてもエンジンを冷やせます。→渋滞でもエンジンは平気です。(ラジエターから熱風が出てくるのでライダーは空冷でも水冷でも暑いです)
・ウォータージャケット(エンジン内部に水の通る経路がある)のでエンジン音が打ち消されやすいです。そのため最近のバイクは規制の関係もあり水冷エンジンが多いです。
水冷エンジンのデメリット
部品点数が多くなります。冷却システム自体のメンテンナスが必要になります。(冷却水の交換や、各種ゴム部品など)
また、ラジエターという冷却水を冷やす装置を取り付けるので重量が増えます。・・・など
おおまかな特徴はこんな感じです。
どちらも良い点、悪い点があるのですが、故障のリスク=部品点数の多さやメンテンナス時にかかる費用を考えると、構造のシンプルな空冷に軍配が上がります。空冷エンジンはラジエターなどがないので、メンテナンス性にも優れています。
この部分はバイク屋さんに整備をお願いした際の、工賃にも反映されます。
例えば、マフラー交換するのに、ラジエターを外す必要があるとその分工賃も上がります。
「維持費」という点から考えると、空冷の方がコストを抑えられるかなというのが僕の意見です。
維持費の「高い車種」、「安い車種」 〜まとめ〜
上記のポイントをまとめると
1:エンジン
維持費高い:4気筒
維持費安い:単気筒
2:燃費
維持費高い:4気筒
維持費安い:単気筒
3:タイヤ
維持費高い:重い車両・ハイパワーな車両
維持費安い:軽い車両・パワー控えめな車両
4:ブレーキキャリパー
維持費高い:ダブルディスク(重い車両・ハイパワーな車両)
維持費安い:シングルディスク(軽い車両・パワー控えめな車両)
5:エンジン冷却システム
維持費高い:水冷(複雑)
維持費安い:空冷(シンプル)
排気量だけではバイクの維持費(ランニングコスト)は計算できません。
もう少し具体的にすると、250ccでも400ccでも「4気筒車(エンジンが重くなる)でハイパワーな車両」は維持費が高額になりやすいですし、「単気筒車(エンジン軽い)でパワーが控えめな車両」は維持費が安く収まります。
大排気量の4気筒車だと維持費は最も高くなります。
各社スーパースポーツの1000ccクラスなんかは車体の価格も高いですが、維持費も高額です。
「ツーリングや遠出もしたいので、ある程度のパワー(車格)は欲しい」けれど「維持費はできるだけ安くしたい」のであれば、250ccの単気筒バイクが良いでしょう。この辺は燃費もいいですし、本当に経済的です。高速道路にも乗れますし。
そうはいっても「四気筒に乗りたい」というのであれば、何かと維持費は高くなることを理解しておくと良いと思います。(僕も免許取得後は四気筒以外は考えてなかったです。)
いざ乗り出してから「こんなはずでは・・・」となったらあんまりですからね。
今日の話は以上です。それでは!